永田小耳症形成外科クリニックと愉快な仲間たち

愉快な仲間たちの秘密の会話

小耳症に対する耳介再建手術は、形成外科の再建分野の中で最も困難な分野である。

なぜならば、正常な耳介形態が、体表の中で最も複雑な形態をしている事に起因する。

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形成外科分野で最も広く世界中に読まれ、信頼され

最先端の論文が記載されているジャーナルは、

アメリカ形成外科学会が毎月発刊する形成外科学会誌「PRS」である。


世界中から論文が投稿されて

世界初の内容が書かれている論文と認定されて初めて論文として記載される。

このジャーナルを基に新たな形成外科の教科書が作成され世界の役に立っている。


このPRSに投稿された小耳症に対する論文は、500論文にも達するが

その中でも大きく進歩した3論文を取り上げると、次のようになる。


1959年 タンザーは自家肋軟骨移植を用い、6回の手術を行う耳介再建法を報告した。

1980年 ブレントは4回の手術を行う耳介再建法を報告した。

1992年 著者は2回で耳介が再建出来る手術法を報告した。


肋軟骨で再建するそれぞれの耳の形態を上の図に示している、


タンザー法、ブレント法の中途半端な形態と比較すると

永田法は、耳介形態の全てを省略せずに作成するという意味からも

大きく進歩した手術となっている事が理解できる。


肋軟骨は小さいので、ワイヤーで組み合わせて移植する耳介軟骨フレームを形成する。


青で示すのが基礎となる肋軟骨。

黄色で示すのが基礎の上にワイヤーで組み合わせて作成した部分。

赤で示すのが基礎の裏から組み合わせた部分。


複雑な形態を作成するほど、当然時間がかかる。


更に従来法に比して遥かに複雑になった肋軟骨フレームを、

いかに生きた組織で立体的に被覆を可能にするのか、

を解決するのはもっと困難だった。が、

永田法では、これらをすべて解決できたからこそ正常な耳介が再建可能となった。


通常の耳垂残存型小耳症に対し

タンザー法やブレント法が3時間手術で終了するが永田法は8時間手術となる。


更に、

タンザー法やブレント法では不可能なローヘアーラインを伴う小耳症無耳症

永田法では耳介再建が可能となったが、手術時間は10時間から12時間を要する。

また、これらの手術主義を応用する事で永田法では、耳介の作り直し手術も可能となった。


これらは、すでにアメリカで発刊された形成外科の最新の教科書に記載されているが

日本国内に完全に一般化するのに、30年という時間を要する。

その30年のタイムラグが問題だ。


未だに「タンザー法もどき」の手術を行われ、

作り直し手術を希望されて永田小耳症形成外科クリニックへ

日本全国から入院される患者さんが増加しているのは、

小耳症の症例数が非常に少ないので、

形成外科医の小耳症手術経験数が少なすぎる事だけでなく

そのタイムラグのせいでもある。

また、日本の健康保険システムが

未だにタンザー法に準じたままとなっているからでもある。


更に、以上のような複雑な手術を行って正常な耳の再建を実現させるには

芸術的才能がある形成外科医でなくてはならない。


再建された各々の耳介の結果に対する芸術的価値を評価すれば

手術法により、術者の技量により、

その結果の差が、あまりにも大きい。


よって、事実、作り直しの患者さん達が

日本中からのみに留まらず、海外からも当院へ集中している。

これまで、このブログに作り直し手術を頻繁に記載してきた。


作り直し手術や、ローヘアーラインを伴う小耳症に対する耳介再建手術は、

超困難な手術であるという事だけでなく

10時間から12時間もかかる手術となり、

術者にはそれに耐え得る鉄人の体力が要求される。

作り直しを求めて来院される患者さんにとっては、

永田法が最後の砦となっており、

引き受けたからには、必ず成功させなければならない手術なので、

私にとっては非常に責任重大で、プレッシャーのかかる手術でもある。





















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