永田小耳症形成外科クリニックと愉快な仲間たち

愉快な仲間たちの秘密の会話

Nagata Microtia and Reconstructive Plastic Surgery Clinic
Satoru Nagata,M.D.,Ph.D.   31/ may/2012
ear projection operation for microtia

永田小耳症形成外科クリニック ・ 永田 悟・ 2012年5月31日
小耳症の耳立て手術


P1040825.jpg
The reconstructed auricle.
This case had the 1-st stage operation 6 months before.

半年前に再建していた耳介。本日耳立て手術の日を迎えた。

P1040826.jpg
The outline for the second stage operation
[ear projection operation].

耳立て手術のデザイン。

P1040827.jpg
The elevated temporoparietal fascia flep [TPF].
An ultra delicate split thickness scalp skin
[UDSTS] is harvested.
Fabricated costal cartilage block for auricular projection.

側頭部から血管膜「TPF」を拳上した。
薄い頭皮皮膚「UDSTS」を採取した。
耳を立てるための肋軟骨ブロックを作成した。

P1040829.jpg
The total suture line.

縫合線の全体像。

P1040831.jpg
The reconstructed auricle is projected.

再建された耳介が立っている。

P1040833.jpg
The reconstructed auricle is projected.

再建された耳介が立っている。
耳の腫れは入院中に引く。
かつてインドで耳の再建術を受けたものの

不幸な結果となった小耳症の患者さんが

インドの形成外科医から当院を紹介されて来日し、

当院で、昨年と今年の2回の手術を無事終了して

つい先月退院されたばかりだが、


本日も、午前中インドから新たな小耳症の患者さんが初診で来院された。


やはり、インドで再建手術を受けたものの、

今回の患者さんも不幸な結果となり、

当院で作り直し手術を希望されての来院だった。


先月退院された小耳症の患者さんと会って、

その作り直した耳介の結果を直接見て感動して来院されたそうだ。


小耳症手術に関するあらゆる手術方法を2時間ほどかけて詳しく説明した。


また、来月はインドネシアから両側小耳症手術予定の患者さんが

耳介の再建手術のため入院する予定となっている。


午後からは日本中から来院された小耳症で再診の患者さん達数名の診察を行った。


また、トリーチャーコリンズ症候群で、

なおかつ、ローヘアーラインを伴う両側小耳症に、

当院で両耳介再建が無事終了した患者さんの顔面の手術を、その分野で最先端の

台湾のチャングン大学のユー・レイ・チェン医師に依頼するメールを書いて送っていたが、

いつ来院してもらえば診察できるというメールが届いていたので

患者さんにお知らせした。


別に、両側小耳症の患者さんが当院で耳介再建を行った患者さんに、

「聞こえの手術の世界最先端」であるアメリカの

バージニア大学耳鼻科のケッサー医師を紹介していたが、

ケッサー医師から「聞こえの手術」が無事終了したという手紙が届いていた。


このように当院では、

それぞれの専門領域で世界最先端の医師同士の間で必要に応じて

国際的に患者さんを紹介し合うハイレベルの関係となっている。


このようなことが実現できるのは

国際学会サイドからの講演依頼に応じてきた結果

それぞれの分野でトップレベルの形成外科医同士が

頻繁にいろいろな国での学会で顔を合わせる事となり、

いやでも知り合う事となり必然的に互いに尊重でき、

トップ同士が、手を取り合うようになったからだ。


夕方になり、小耳症で入院中の患者さん達の包帯交換を行った。

明日は、小耳症の耳立て手術を予定している。






Nagata Microtia and Reconstructive Plastic Surgery Clinic
Satoru Nagata.M.D.,Ph.D.   29/May/2012
2-nd stage operation [ ear projection operation] for microtia

永田小耳症形成外科クリニック・ 永田 悟   2012年5月29日
小耳症の耳立て手術


P1040813.jpg
The reconstructed auricle.
This case had the 1-st stage operation 6 months before.

半年前に再建手術を行って再建された耳介。本日耳立て手術日を迎えた。

P1040814.jpg
The outline for the second stage operation
 [ear projection operation].

耳立て手術のデザイン。

P1040815.jpg
The appearance with the elevated temporoparietal fascia flap [TPF]
 and costal cartilage block for auricular projection.
An ultra delicate split thickness scalp skin [UDSTS] is harvested.

側頭部から血管膜「TPF」を拳上した。
耳の後ろから耳を支えて立てるための肋軟骨ブロックを作成した。
頭から毛根を含まない薄い皮膚を採取した。

P1040818.jpg
The reconstructed auricle is projected.

再建された耳介が立っている。


P1040817.jpg
The reconstructed auricle is projected.

再建された耳介が立っている。

P1040816.jpg
The total suture line.
The swelling of the reconstructed auricle will reduce within one month.

縫合線の全体像。耳の腫れは入院中にひく。
本日は午前中、小耳症で入院していた患者さんが診察後無事退院となった。

その後、明日小耳症で手術予定の患者さんが入院となった。

また、入院中の小耳症の患者さん達の包帯交換を行った。

月曜日の本日はいつも抜糸の時期にあたる患者さんが多いので

包帯交換に2時間を要した。


午後からは、小耳症外来の時間帯となった。

月曜日というのに何故か、

待合室に座りきれないほど日本中から小耳症の患者さん達が来院されていた。

小耳症で再診の患者さん達数名を診察後、

来週手術予定の小耳症の患者さん達3名の全身麻酔用術前検査を行った。

更に数名の小耳症で再診の患者さん達の診察を行い、

小耳症で初診の患者さんが来院されたので

手術法の詳しい説明を2時間ほどかけて行った。


明日は小耳症の耳立て手術を予定している。


1980年代は日本の高度成長期だった。

高度成長期には、「今日よりも明日は必ず豊かになる」という希望に満ちた時代だった。


当時私は30歳代で、団塊の世代の最後の世代だった。

受験地獄を経験し、切磋琢磨して激烈な競争社会を勝ち抜かなければならない時代だった。

激烈な競争を勝ち抜いた人材が国際的にもリードして活躍するようになり

海外との競争に打ち勝って、日本は高度の成長を継続する事が出来た。


当時は経済的に全てが成長出来るので、

芸能界にも多くの新人歌手が誕生し

切磋琢磨して実力と安定性とオーラがある歌手のみが勝ち残って行った。

全てが輝いて1987年バブル経済崩壊までの日本は、正に絶頂期だった。


その後、日本は経済成長が劇的に縮小し、

2008年まで、「失われた20年」と言われた。

その後の2008年から2012年までに至っても、

生産人口の減少と、東日本大震災などの天変地異、

そして、ゆとり教育の弊害が重くのしかかり、

さらに経済成長は鈍化している。


経済状況の縮小は、結果的に国民生活水準の全てを縮小せざるを得なくなる。


1980年代の競争時代と比較し、

現在は全てに対してあまりにも過保護になりすぎて、

ちょっとした障害すら乗り越えることが出来ない、ひ弱すぎる人材が急増し

あまりにも、ひ弱な社会となってしまったような気がするのは私だけだろうか?


このままの過保護さとひ弱さが継続すれば、

日本は国際競争に負けてしまうのではなかろうか?

競争に負けてしまう社会は、希望が無く、悲惨な社会に転落する。




本日は、午前中入院していた小耳症の患者さんが診察後、無事退院となった。

土曜日の本日、永田小耳症形成外科クリニックは小耳症外来日となっている。

数名の小耳症の患者さん達の診察を行った後

2名の小耳症で初診の患者さんの診察を行った。


午後からは、小耳症で入院中の患者さん達の包帯交換を行った。

気が付けば、現在の永田小耳症形成外科クリニックには

単なる小耳症というばかりでなく、再々建や、ローヘアーライン、無耳症など、

日本全国から来院された治療困難な患者さん達ばかりが入院している状態となっている。

当然包帯交換も手術と同様、真剣勝負だ。

患者さん達と共に、私は、

この困難な治療と戦っている戦友となっている。







思い起こせば

小耳症に関する治療法として1992年から1993年にかけ、

私はアメリカ形成外科学会誌に論文を投稿し6論文が掲載された。

その後、世界中から論文のリプリントの請求の手紙が毎日毎日届くようになり

リプリントを送る手紙代だけでも相当な額になった。

更に、

フランス、イタリア、ドイツ、オランダ、カナダ、オーストリア、スペイン、イギリス、

オーストラリア、トルコ共和国、メキシコ、台湾、クエート、インド、アメリカ合衆国、

フィンランド、などなど、の

形成外科学会などから招待講演やデモンストレーション手術など依頼が

毎年毎年続くようになった。

また、世界中の多くの形成外科医達が、

私の小耳症手術の見学に来日するようになった。

それら多くの形成外科医達の中でも

1年間にわたり私のところへ留学し、小耳症手術を死に物狂いで学んだ形成外科医がいる。

10年ほど前

ユーレイ・チェン医師と、フーチャン・ウェイ医師からの正式な依頼状が届き

台湾の、チャングン大学病院から私のもとへ派遣されたズンチャン・チェン医師だ。


彼が帰国してからも、依頼に応じて、私は何度となくチャングン大学へ飛び

小耳症の再々建手術やローヘアーライン手術などを行って

彼の指導を行った。


彼は、熱心であるばかりでなく芸術的才能も有ったので

めきめき実力をつけていった。

世界中にいる弟子の中で、最も私の手術法を獲得した一番弟子の医師となった。

その後、チャングン大学の小耳症治療専門医師として

彼は超多忙な日々を過ごすようになった。

この2.3年ほどは、お互いに忙しく会う機会もなかったのだが


その彼から今夜電話があった。

まことに懐かしい声だった。

来月半ば来日し3日間当院を訪ねると言う。


彼と又、再会するのが、非常に楽しみだ。


Nagata Microtia and Reconstructive Plastic Surgery Clinic
Satoru Nagata,M.D.,Ph.D.    25/May/2012
Second stage operation for microtia [ear projection operation]

永田小耳症形成外科クリニック ・  永田 悟  ・2012年5月25日
耳垂残存型小耳症の耳立て手術

P1040804.jpg
The reconstructed auricle for lobule type microtia.
This case had the first stage operation 6 months before.

耳垂残存型小耳症に対して半年前に初回手術を行って再建した耳介。

P1040805.jpg
The outline for the second stage operation
[ear projection operation].

本日耳立て手術の日を迎え、手術デザインを行った。

P1040807.jpg
The appearance with the elevated temporoparietal fascia flap [TPF]
 and costal cartilage block for auricular projection.
An ultra delicate split thickness scalp skin [UDSTS] is harvested.

頭から拳上した血管膜「TPF」、頭から採取した薄い皮膚、
耳を立てるために作成した肋軟骨ブロック。

P1040808.jpg
The reconstructed auricle is projected.

再建された耳介が立っている。

P1040810.jpg
The reconstructed auricle is projected.

再建された耳介が立っている。

P1040812.jpg
The total suture line.

縫合線の全体像。
Nagata Microtia and Reconstructive Plastic Surgery Clinic
Satoru Nagata,M.D.,Ph.D.  24/may/2012
secondary reconstruction for microtia complicated with low hairline

永田小耳症形成外科クリニック ・ 永田 悟・  2012年5月24日
ローヘアーラインを伴う小耳症再々建手術


P1040789.jpg
Preoperative appearance.
An unsatisfactory primary reconstruction result.
The reconstructed auricle is almost flat.
The anatomical position of the reconstructed auricle is too anterior.
This case was already operated
at another clinic [3 stage operation].

中国地方の某形成外科クリニックで小耳症に対する耳介再建手術を3回も行われたものの
再建された耳介はほとんど平坦で、位置も間違った場所となっている。

P1040791.jpg
The transparent film template reveals
the proper anatomical location
of the auricle to be reconstructed.

透明フィルムに印刷された設計図を用いると、解剖学的にあるべき耳の位置がわかる。

P1040793.jpg
Note that the previous auricle was reconstructed
anterior and inferior to the normal anatomical location.

再建されていた耳介は、解剖学的に
完全に耳1個分以上も間違って前下方に位置している。

形成外科医は、このような大きな間違いだけは、決して犯してはならない。
また、ローヘアーラインの症例に対処する手術が行えない形成外科医が、
耳介再建を行ってはならない時代になっている。

P1040792.jpg
The outline for the first stage operation.
Note that the auricle was reconstructed
anterior and inferior to the normal anatomical location
most likely to avoid the low hairline
and the area outlined for the
ultra delicate split thickness scalp skin [UDSTS] portion.

ローヘアーラインから逃げて前下方に、耳が再建されている。
頭から採取すべき薄い皮膚「UDSTS」の部分を示す。

P1040794.jpg
Removed framework and fabricated
3 dimensional costal cartilage frame [3-D frame]
with the paper template.

摘出した肋軟骨フレーム「タンザー法」と、
新たに作成した3次元肋軟骨フレーム「永田法」および紙型。

P1040795.jpg
Temporoparietal fascia flap [TPF] was elevated,
UDSTS was harvested,
hair follicle portion and
bad color match grafted skin was excised.
Newly fabricated 3-D frame and excised grafted framework.

頭から薄い頭皮皮膚「UDSTS」を採取した後、血管膜「TPF」を拳上した。
更に頭髪有毛部および、耳の後ろに異なる色の移植されていた皮膚を切除した。
新たに作成した3次元肋軟骨フレームと摘出した肋軟骨フレーム。

P1040798.jpg
Newly fabricated 3-D frame was
grafted to its normal anatomical position.

新たに作成した3次元肋軟骨フレームを解剖学的に正しい場所に移植した。

P1040800.jpg
Grafted 3-D frame was covered with TPF.

移植した3次元肋軟骨フレームを、TPF で被覆した。

P1040801.jpg
The appearance after TPF and UDSTS cover.
The newly reconstructed auricle.

被覆したTPFの上に薄い頭皮皮膚UDSTSを移植した。
新たに再建された耳介。

P1040803.jpg
The appearance at the end of
the first stage operation with Bolster sutures.

ボルスター縫合固定を行って手術を終了した。
手術時間・10時間20分
全身麻酔時間・12時間
本日は午前中、

海外の形成外科医からのメールに対する返事を出した後

入院中の小耳症患者さん達の包帯交換を行った。

皆順調な経過をたどっている。


包帯交換中に、明日小耳症で手術予定の患者さんが入院となった。

明日の手術は、

中国地方の病院で小耳症に対する耳介再建手術を3回行われたものの

不幸な結果となってしまった患者さんに対する耳介の「再々建手術」を予定している。

だから、明日も長時間の手術となる。


とにかく日本中から耳の作り直し手術を求めて

当院へ来院される患者さん達が後を絶たない。

このブログをさかのぼって見ると、この事実が良くお分かりになる事だろう。


小耳症手術は術者や手術法の違いによって、

再建形態レベルが、あまりにも異なりすぎるため、

本年オーストラリアで行われた国際小耳症学会では

再建された耳介形態の統一評価基準を作ろう」と言う意見が出ている。


午後からは、小耳症で再診の患者さん達の診察を行った。

Nagata Microtia and Reconstructive Plastic Surgery Clinic
Satoru Nagata,M.D.,Ph.D.
22/may/2012
ear projection operation for microtia

永田小耳症形成外科クリニック・ 永田 悟
2012年5月22日
小耳症の耳立て手術

P1040022.jpg
The preoperative appearance.18/November/2011
This patient was already operated
for lobule type microtia
[a switch back procedure, which is the conventional Tanzer method]
at another instisute[university hospital].

2011年11月18日、術前。
中部地方の某大学病院で、耳垂残存型小耳症に対し
耳垂のスイッチバック手術をすでに行われている。
これは従来法「タンザー法」の第1回目手術で、
永田法では不要な手術である。


P1040023.jpg

The outline for the reconstruction of the auricle.
肋軟骨移植術のための手術デザイン。

P1040024.jpg
The fabricated 3 dimensional costal cartilage frame
[3-D frame] with the paper template.
3次元肋軟骨フレームを作成した。

P1040026.jpg
The intraoperative appearance with the skin flaps formed
(tragus skin flap,anterior skin flap of the lobule,
posterior skin flap of the lobule and mastoid skin flap)
and the skin pocket is created.
皮下ポケットと皮弁形成を行った。
耳垂を前面と後面との2枚に分割して耳垂前面皮弁を作成。
耳垂後面皮弁および乳突洞部皮弁を皮下茎皮弁とした。

P1040027.jpg
The posterior skin flap of the lobule
and mastoid skin flap as subucutaneous pedicled skin flap
transposed anteriorly.

皮下茎皮弁を前上方へ移動して耳珠後面および耳甲介を被覆する。

P1040029.jpg
The 3-D frame is grafted under the skin pocket
and covered with the transposed skin flaps.

3次元肋軟骨フレームを皮下ポケット下に移植して移動した皮弁で被覆した。



P1040784.jpg
22/May/2012.
The appearance of the reconstructed auricle.
The outline for ear projection operation.

2012年5月22日の本日
耳立て手術の日となった。
手術デザイン。

P1040785.jpg
The appearance with the
elevated temporoparietal fascia flap [TPF]
and costal cartilage block for auricular projection,
harvested ultra delicate split thickness scalp skin [UDSTS].

頭から薄い皮膚を採取し、血管膜「TPF」を挙上した。
耳を立てるための肋軟骨ブロックを作成した。

P1040787.jpg

The superior view ,the reconstructed auricle is projected.

再建された耳が立っている。


P1040788.jpg

The antero-lateral view ,the reconstructed auricle is projected.

再建耳が立っている。

P1040786.jpg

The total suture line.

縫合線の全体像。
本日は関東地方では午前7時38分ごろ金環日食となった。

当院に入院中の小耳症の患者さん達は、病室から皆で観察したそうだ。

私は医局のテレビを、ライブで見ていた「笑」。

医局の外は僅かに暗くなった様ではあった?


月が地球に近く完全に太陽が隠れる日食の場合は、夜みたいに暗くなるのだが

月が地球から遠い今回の日食では、

太陽が完全に隠れるわけではないので明るさがあまり変動しない。

天文学の理論が常識の人にとっては、驚きに値しない現象だ。


本日が日食の日と知っている人間達だけは騒いでいたが、

さほど暗くはならないので動物園の動物達は、ほとんど特別な反応はしなかったようだ。


さて5月21日の本日は午前中、

小耳症で入院されていた患者さんが診察後無事退院となった。

その後、明日小耳症で手術予定の患者さんが入院となった。


さらに入院中の小耳症の患者さん達の包帯交換を行った。

月曜日の本日は抜糸の日にあたる患者さんが多いので

包帯交換だけで2時間を要した。


午後からは、来週小耳症手術予定の患者さん達3名の

全身麻酔用術前検査を行った。

他に小耳症で再診の患者さん達の診察を行った。


明日は、中部地方の某大学病院で、かつて耳垂のみを後ろに移動するという

従来のタンザー法の1回目の手術「永田法では不要な手術」を

すでに行われていた小耳症の患者さんに対して、

半年前に当院で肋軟骨移植手術を行い

再建された耳介の耳立て手術を予定している。






紫いものスーツを脱ぎ捨てて、
院長は春らしくさわやかなミストグリーンの術衣に身を包み、
今日も明日も永田小耳症形成外科クリニックで診療を行っている。

〇先生にも新しく、ブルーの術衣を買ったので、
「先生、これを着てくださいね」とロッカーへ入れておいた。

最初は術衣も新しいので、
なんだかぱりぱりのカミシモのようだったのが、
何度か洗濯するうちに、馴染んできて、
今では何の違和感もない。

ところが、
〇せんせい、
最初は半分だけ新しい術衣で、もう半分は紫いもだ。

「先生どうしたの?へんでしょう」と言うと、
「ぼくはあの紫色が好きなんだ」と・・・

「ええ、だって新しく買う時に、何色がいいか聞いたでしょう」
と言ったのに、
いまでは上も下も、もとの紫いもスーツを着てござる。

〇先生、紫いもスーツだと、
背中から縞々パンツが見えている。

ふと見ると、ナースのYさんも。
紫いろスーツを着ているので、
「新しいの、着ないんですか」と聞いたら、
「だって大きいんだもの」といわれた。

なるほど、Yさん、小柄だったのだ。

人の好みはいろいろだわ。

家でテレビを見ていてふと気づいたが、
最近の外国映画では、囚人の着ている服が、術衣にそっくり。
昔は囚人服は縞々パジャマと相場が決まっていたが、
最近はそうなのねえ。

本日は2012年、5月19日の土曜日。

土曜日の永田小耳症形成外科クリニックは、午前午後とも

小耳症外来の日となっている。

外来には開始の30分ほど前から小耳症の患者さん達が待っておられた。


午前9時より外来を開始し、数名の小耳症の最新の患者さん達の診察を行った。

その後、小耳症で初診の患者さんが来院されたので

2時間ほどかけて手術法の詳しい説明を行った。

関東地方の某大学病院ですでに手術を行われたものの

再建された耳介は、平坦で立ってもいない状態で、

耳の後ろには色が異なる皮膚が移植されていた。

結局「作り直し手術」を行う事となり手術予約を決定された。


このブログでも頻繁に紹介しているように、

作り直し手術を希望して来院される小耳症の患者さん達が増加する一方となっている。


その後も小耳症で再診の患者さんが来院され診察を行った。



午後からも小耳症で再診の患者さんを数名診察した後

外来が一段落したので、病室へ上がり

入院中の小耳症の患者さん達の包帯交換を行った。


外来へ再び降りて小耳症で再診の患者さん達の診察を行った。

これで、ようやく超多忙だった今週の仕事も終了した。
Nagata Microtia and Reconstructive Plastic Surgery Clinic
satoru Nagata,M.D.,Ph.D.   18/May/2012
1-st stage operation for clinical anotia complicated with low hairline

永田小耳症形成外科クリニック   永田 悟   2012年5月18日
ローヘアーラインを伴う臨床的無耳症の肋軟骨移植術

P1040771.jpg
The preoperative appearance.

小耳症の術前。

P1040773.jpg
The transparent film template reveals
the proper anatomical location
where the auricule is to be reconstructed.

透明フィルムに印刷した設計図を用いて耳があるべき場所を決定する。



P1040772.jpg
The outline revealing that
the lobule is located at a great distance
to be used for auricular reconstruction.
As shown here, more than 35% of the surgical site
 penetrates into the hair-bearing skin.
Therefore this case is
clinical anotia complicated with low hairline.

設計図を写し、耳があるべき場所を決定すると
耳垂は、耳があるべき場所とは異なるので、耳の再建のために利用不可能な事が理解できる。
耳があるべき場所の35%に、髪の毛が生えている。
それゆえ、この症例は、「ローヘアーラインを伴う無耳症)としての手術となる。

P1040774.jpg
The fabricated 3 dimensional costal cartilage frame [3-d frame]
 and paper pattern.

作成した3次元肋軟骨フレームと紙型。

P1040775.jpg
First,the ultra-delicate split thickness scalp skin
[UDSTS] is harvested.
Then the hair follicles in the area
for auricular reconstruction are excised.
The temporoparietal fascia flap [TPF] is elevated.

まず、薄い頭皮皮膚を採取した後、
耳が存在すべき場所に生えている頭髪毛根部を切除した。
また、頭から血管膜「TPF」を拳上した。


P1040777.jpg
The fabricated 3-D frame is placed
in its proper anatomical location.

3次元肋軟骨フレームを耳があるべき場所へ移植した。

P1040778.jpg
3-D frame is covered with TPF.
Lobule is removed.

3次元肋軟骨フレームはTPFで被覆した。

P1040779.jpg
TPF is covered with UDSTS.

TPFの上にあらかじめ採取していた薄い頭皮皮膚を移植した。

P1040780.jpg
The appearance at the end of the first stage operation
with Bolster fixation sutures.

ボルスター縫合固定を行って手術を終了した。

Nagata Microtia and Reconstructive Plastic Surgery Clinic
Satoru Nagata,M.D.Ph.,D.    17/May/2012
1-st stage operation for clinical anotia complicated with low hair line

永田小耳症形成外科クリニック   永田 悟    2012年5月17日
ローヘアーラインを伴う臨床的無耳症に対する肋軟骨移植術

P1040756.jpg
The preoperative appearance is shown.

術前の状態。

P1040758.jpg
The transparent film template reveals
the proper anatomical location
where the auricle is to be reconstructed.

正常な耳介の位置を決定するために
透明フイルムに印刷した設計図を用いる。


P1040757.jpg
The outline for the first stage operation
revealing that the auricular remnant lobule
is located at a great distance to be used
for auricular reconstruction.
As shown here, more than 95% of the surgical site
penetrates into the hair-bearing skin.
Therefore this case is
clinical anotia complicated with low hair line.

存在している耳垂は耳が存在すべき場所からは程遠いので、
耳の再建には利用できない。
この症例は、95パーセント以上のローヘアーラインを伴っている
臨床的な無耳症である事になる。

このような重篤な症例は、従来法であるタンザー法やブレント法では再建が不可能だった。

P1040759.jpg
The fabricated 3 dimensional costal cartilage framework[3-D frame]
with the paper template.

作成した3次元肋軟骨フレームと紙型。

P1040760.jpg
Antero-lateral view,
the fabricated 3-D frame with the paper template.

斜前方からの所見。

P1040761.jpg
First, the ultra-delicate split thickness scalp skin
[UDSTS] is harvestad.
Then the hair follicles in the area
for auricular reconstruction are excised.
The temporoparietal fascia flap [TPF」 is elevated.

まず,薄い頭皮皮膚を採取した後、耳が存在すべき場所の頭髪毛根部を切除した。
側頭部から血管膜「TPF」を拳上した。


P1040763.jpg
The fabricated 3-D frame is placed
in its proper anatomical location.

3次元肋軟骨フレームを耳が存在すべき場所へ移植した。


P1040764.jpg
The TPF passed through the skin tunnel
to cover the 3-D frame.

TPFを皮下トンネルを通して3次元肋軟骨フレームを被覆するために移動した。

P1040765.jpg
The TPF is tranposed downward to cover the 3-D frame.

さらにTPFを下に向けて移動した。


P1040766.jpg
The appearance after TPF cover.

TPFで3次元肋軟骨フレームを被覆した。

P1040767.jpg
The appearance after UDSTS cover.

TPFの上に薄い頭皮皮膚を移植した。

P1040768.jpg
The appearance at the end of
the first stage operation with Bolster sutures.

ボルスター縫合固定を行った。

P1040769.jpg
The total suture line.
手術全体の縫合線を示す。
頬部に残っている耳垂は、次回の耳立て手術時に、頬を再建するために利用する。
Nagata Microtia and Reconstructive Plastic Surgery Clinic
Satoru Nagata,M.D.Ph.,D.
secondary reconstruction for micritia

永田小耳症形成外科クリニック   永田 悟
小耳症の作り直し手術

P1030781.jpg
The preoperative appearance of a patient from India
with unsatisfactory primary reconstruction results.
Note that there are many scar,bad color matched grafted skin
and that the morphological features are not fabricated.
Secondary reconstruction operation was done [6/september/2011].

小耳症のために耳介再建手術をインドで数回手術されたものの不幸な結果となり
インド人のドクターから当院を紹介された。
来日して永田小耳症形成外科クリニックで2011年9月6日、作り直し手術を行った。
耳介の作り直し手術時間は9時間30分、全身麻酔時間は10時間30分。

P1040616.jpg
Appearance immediately prior to the second stage operation.
[17/April/2012]

再度来日し2012年4月17日の耳立て手術の日の手術直前の所見。
耳立て手術時間は8時間15分、全身麻酔時間は9時間45分。


P1040748.jpg
P1040782.jpg

1 month after the second stage operation.
[14/May/2012]
Impossible is now possible.


2012年5月14日「術後ほぼ1か月」の退院時所見。
患者さん、御家族は、大変喜んでいただきインドへ帰国された。
3か月後、診察に再度来日される時には、耳の腫れは引いて、さらに輪郭が明瞭になる。

そもそも耳介再建手術は形成外科分野で最も困難な手術だが
さらに作り直し手術は、世界的にもほとんど不可能な手術とされている。
だから耳介の作り直しに関する世界的論文も、永田法を除けば、ほとんど無い状態だ。
しかし、永田法の進歩により、困難で不可能と言われていた再々建手術も可能になった。

不可能を可能にしてこそ、単なる医師ではなく科学者となる。

新たに可能にした事を世界が広く読む公認のジャーナルに英文として投稿し、
世界初と認められて論文に掲載される事で、世界が広く知る事になる。

更に論文を読んで
それが必要と気が付いた世界の学会から依頼された講演や教育手術に
絶え間なく応じる事で
新たに進歩させた手術法が世界各国に伝わり定着する。

講演や教育手術を熱心に見て学んだ各国の医師が
修練を重ねその新たな手術を行えるようになり、
さらにその医師が後輩の医師を教育し
末代まで手術法が伝えられて残って行く。

自ら開発した手術法が世界に広く残ると、
自分自身が死んだとしても、かつて自らが生きていたという証が残る。

つまり結果的に、
通常の医師が地域医療を生涯行って救える患者数に比して
科学者としての医師が新たに進歩させた手術法は
間接的とは言え世界中の患者を救える方法となり末代まで利用されるので
救える患者数は、単なる地域医療に留まらず膨大な人数となり
後世まで人類の役に立つ事となる。

永田小耳症形成外科クリニックは、
わずか15ベッドしかない小さなクリニックにすぎないが
単なる地域医療に留まらず、
科学的には世界的スケールで
前述のような重責を担っている特殊なクリニックでもある。

現在、当院のスタッフ達は、このように崇高な深い意味を十分理解しているので
モチベーションが非常に高い人達ばかりで構成されている。

Nagata Microtia and Reconstructive Plastic Surgery Clinic
Satoru Nagata,M.D.Ph.,D. 15/May/2012
second stage operation for concha type microtia

永田小耳症形成外科クリニック・ 永田悟  2012年5月15日
耳甲介型小耳症の耳立て手術

P1040750.jpg
The reconstructed auricle for concha type microtia 6 months before.
The appearance prior to the second stage operation.

耳甲介型小耳症に対して半年前に再建していた耳介。
本日耳立て手術の日を迎えた。

P1040751.jpg
The intraoperative appearance with the ourline for the second stage operation.

耳立て手術のデザイン。

P1040752.jpg
The appearance with the elevated TPF
 and costal cartilage block for auricular projection.
An ultra-delicate split-thickness scalp skin [UDSTS] is harvested.

頭から血管膜「TPF」を拳上した。
耳を立てるために肋軟骨ブロックを作成した。
側頭部から薄い頭皮皮膚を採取した。

P1040753.jpg
The superior view confirming that the reconstructed auricle is projected.

再建された耳を上から見たところ耳が立っている。

P1040754.jpg
The antero-lateral view ,the reconstructed auricle is projected.

斜め前方からの所見、再建耳介が立っている。

P1040755.jpg
The total suture line.

縫合線の全体像。

5月13日、日曜日。

連休以来、雹が降ったり、竜巻が起きたりと

ずっと天候がすぐれない関東地方だったが


久々に、本日は朝から快晴となった。

緑は生い茂り、太陽光を浴びてキラキラと輝いている。


新たに輝く未来が始まった。


本日は土曜日。

永田小耳症形成外科クリニックの土曜日は、午前も午後も小耳症外来の日。

本日も多くの小耳症で再診の患者さん達が来院された。

術後経過を見ている患者さん達や

術前の成長過程、特に胸囲の計測などを見ている患者さんなどだ。


ところで

耳の長さは7歳では成人の70%しかないが、

10歳になると、ほぼ成人の長さに到達するので手術開始年齢は10歳なのだが、

その胸囲とは、乳頭部の高さで計測した胸囲ではなく、

左右の肋軟骨が中央で合流する部位

すなわち、剣状突起部の高さでの胸囲が60センチを超えることが必要だ。

乳首の高さよりも低い位置だ。

しかもバンザイをした状態ではなく、手を通常の位置に下して計測する。


その条件での胸囲が60センチを超えると臨床的に

耳介再建のために使用する肋軟骨の大きさが十分となっているためだ。


10歳を超えて、なおかつ胸囲が60センチを超えた小耳症の患者さんは、

初めて耳介再建が可能となる。


60センチを超えてなければ、超えるまで待つことになるので

手術年齢が11歳になったり12歳になったりする患者さんもいる。


ちょうど、1年を経過して胸囲計測を行うことで年間に成長した胸囲がわかるので

手術年齢を予測しやすくなる。





Nagata Microtia and Reconstructive Plastic Surgery Clinic
Satoru Nagata,M.D.,Ph.D. 11/May/2012
second stage operation for lobule type microtia
secondary reconstruction of tragus in second stage operation for microtia [particular case]

永田小耳症形成外科クリニック   永田 悟
耳垂残存型小耳症の耳立て手術および耳珠の2次的再建   2012年5月11日


P1040717.jpg
The patient had the first stage operation 6 months ago for lobule type microtia.
The reconstructed auricle.
The reconstructed tragus is insufficient in shape
[cause for a very small lobule,
skin surface area was insufficient in the first stage operation ].
Immedietly prior to second stage operation.

耳垂残存型小耳症に対し半年前に再建した耳介。
耳垂が小さかったため、まだ耳珠が不完全。

P1040718.jpg
Outline for the second stage operation.
Note the outline of the tragus portion. 
To reconstruct the complete tragus I applied
the Limberg flap design.

耳立て手術のデザイン。
耳珠再建のためLimberg flap を応用したデザインを行っている。

P1040719.jpg
Ultra-delicate split thickness scalp skin [UDSTS」is harvested.
Temporoparietal fascia flap 「TPF」 is elevated.
Costal cartilage block for ear projection is fabricated (left).
Costal cartilage for tragus reconstruction (right).
Limberg flap and triangular skin flap created.

薄い頭皮皮膚を採取した。
TPFを拳上した。
耳を立てるための肋軟骨ブロックを作成した。「左」
耳珠再建のための肋軟骨を作成した。「右」
三角皮弁とlimberg flap を作成した。

P1040721.jpg
Trianglar skin flap hinged posterioly
[to create the posterior skin flap of the tragus]
and grafted tragus-shaped costal cartilage
on the raw surface of the hinged trianglar skin flap,
then covered with the transposed Limberg flap
as the anterior surface of the tragus.
You can see part of the grafted costal cartilage for the tragus.

三角皮弁をhinge flap として耳珠の後面を被覆する。
その上に耳珠様肋軟骨を移植し、その表面を移動したLimberg flap で被覆する。
移植した耳珠用の肋軟骨の一部が見える。

P1040728.jpg
The total suture line,immedietely after the second stage operation.
Note the reconstructed tragus. A deep conchal cavity is created.

縫合線の全体像。耳珠が再建され深い耳甲介も再建された。

P1040724.jpg
Antero-lateral view,the reconstructed auricle is projected.

再建された耳介が立っている。


P1040723.jpg
The reconstructed auricle is projected.
再建耳介が立っている。
Nagata Microtia and Reconstructive Plastic Surgery Clinic
Satoru Nagata,M.D.,Ph.D.  10/May/2012
2-nd stage operation for lobule type microtia
[ear projection operation]

永田小耳症形成外科クリニック    永田 悟   2012年5月10日
耳垂残存型小耳症の耳立て手術「2回目手術」

P1040696.jpg
This case had the first stage operation
for lobule type microtia 6 months before.
The appearance immediately prior to the second stage operation.

耳垂残存型小耳症に対して半年前に肋軟骨移植術を行っていた。
本日は耳立て手術の日を迎えた。

P1040697.jpg
The outline for the second stage operation.

耳立て手術のデザイン。

P1040698.jpg
The paper template and antero-lateral view of the
fabricated costal cartilage block for ear projection.

紙型および耳を立てるために作成した肋軟骨ブロック。


P1040699.jpg
Ultra-delicate split thickness scalp skin [UDSTS] is harvested.
The temporoparietal fascia flap [TPF] is elevated.
Fabricated costal cartilage block.

薄い皮膚を頭から採取した。
血管膜「TPF」を拳上した。
肋軟骨ブロック「右」。
P1040701.jpg
The reconstructed auricle is projected.

再建された耳介が立っている。

P1040702.jpg
Antero-lateral view,the reconstructed auricle is projected.

再建耳が立っている。

P1040700.jpg
Lateral view, total suture line.
Note the deep conchal cavity created.

側面全体像。深い耳甲介が、再建されている。
2012年5月9日の本日は水曜日。

午前中、入院していた小耳症の患者さんが診察後無事退院となった。

その後、小耳症で入院中の患者さん達の包帯交換を行った。

昨日手術を行った患者さんも含め皆順調な経過をたどっている。


現在小耳症で作り直し手術を行い

入院しているインドから来日した患者さんも経過は順調だ。

予定どうり退院出来そうだ。


また、来月インドネシアから両側小耳症手術のために

当院へ入院される患者さんからメールが入っており、

入国ビザ取得のため手術を当院で行うという証明書を

インドネシアの日本大使館に提出しなければならないと

依頼があり、書類を作成し、その返事を出した。


さらに別のインド人の患者さんからも

小耳症の作り直し手術を希望されており

当院を受診する日を相談するメールが入ったのでその返事を出した。


海外からの小耳症患者さんも、次第に増加傾向にあるので、

メールのやり取りだけでも結構忙しくなって来た。


コンピュータなどの通信機器が発展し世界中に普及して来た現在は

施設ごとの小耳症手術結果のレベル情報を

正確に把握できるようになった結果、より良き再建耳介を求め、今や

世界的視野から手術を受ける施設を選択する時代となっている。


明日は小耳症に対する耳立て手術が予定されている。



Nagata Microtia and Reconstructive Plastic Surgery Clinic
Satoru Nagata,M.D.,Ph.D.
Concha type microtia complicated with low hairline
1-st stage operation[costal cartilage graft]  8/May/2012
永田小耳症形成外科クリニック・ 永田 悟
ローヘアーラインを伴う耳甲介型小耳症の肋軟骨移植術・2012年5月8日

P1040686.jpg
The preoperative appearance
concha type microtia
complicated with low hairline.
ローヘアーラインを伴う耳甲介型小耳症

P1040688.jpg
Determine the proper anatomical location
during the first stage operation
with the film template.
正常な耳の位置を決定するためには、
透明フイルムに印刷している設計図を用いる。

P1040687.jpg
The outline for the first stage operation .
The lobule is in a lower position
than the normal anatomical position.
Note that this case is complicated with low hairline.
耳の正常な位置を描くと耳垂の位置が異常に低いことがわかる。
また、ローヘアーラインであることもわかる。

P1040690.jpg
The ultra-delicate split thickness scalp skin [UDSTS] is harvested
and the follicular buds portion is excised.
Temporoparietal fascia flap [TPF] is elevated.
The skin flaps formed,
 [anterior skin flap of the lobule,
posterior skin flap of the lobule,
mastoid skin flap].
薄い頭皮皮膚を採取して、ローヘアーラインの毛根部を切除した。
側頭部から血管膜「TPF」を挙上した。
皮弁「耳垂を分割して耳垂表側皮弁と耳垂裏側皮弁、乳突洞部皮弁」を作成した。

P1040689.jpg
Fabricated 3 dimensional costal cartilage frame [3-D frame],
 and the paper template.
作成した3次元肋軟骨フレームと耳の紙型。

P1040691.jpg
3-D frame is grafted onto its normal anatomical position.
3次元肋軟骨フレーム正常な場所へ移植した。



P1040692.jpg
Lower half portion of the 3-D frame is covered with skin flaps,
and upper half portion is covered with TPF.
3次元肋軟骨フレームの下半分を皮弁で被覆し
上半分をTPFで被覆した。


P1040693.jpg
TPF portion is covered with UDSTS.
TPF部の上には、あらかじめ採取していた頭皮分層皮膚を移植した。

P1040694.jpg
The appearance at the end of the first stage operation
with Bolster sutures.
ボルスター縫合固定を行った。
本日は連休明けの5月7日の月曜日。

午前中、入院していた小耳症の患者さんが診察後、2名無事退院となった。

その後、小耳症で入院中の患者さん達の包帯交換を行った。

月曜日は抜糸の時期にあたる患者さん達が多いので時間を要した。

また、明日小耳症で肋軟骨移植術予定の患者さんが入院となった。


午後からは、来週手術予定の小耳症患者さん達3名の全身麻酔用の術前検査を行った。

さらに小耳症で再診の患者さんを診察した。

その後小耳症で初診の患者さんが来院されたので

2時間ほどかけて手術法の詳しい説明を行った。


ようやく外来が終了して一息ついていると

カタールに住む小耳症の患者さんのお母さんから診察希望の電話がかかった。

電話の応答が終わってようやく落ち着いたのが夕方6時だった。


明日はローヘアーラインを伴う小耳症に対する肋軟骨移植術が予定されている。

明日もまた困難な手術なので長時間となりそうだ。





小耳症に対する耳介再建手術は、形成外科の再建分野の中で最も困難な分野である。

なぜならば、正常な耳介形態が、体表の中で最も複雑な形態をしている事に起因する。

P1040685.jpg

形成外科分野で最も広く世界中に読まれ、信頼され

最先端の論文が記載されているジャーナルは、

アメリカ形成外科学会が毎月発刊する形成外科学会誌「PRS」である。


世界中から論文が投稿されて

世界初の内容が書かれている論文と認定されて初めて論文として記載される。

このジャーナルを基に新たな形成外科の教科書が作成され世界の役に立っている。


このPRSに投稿された小耳症に対する論文は、500論文にも達するが

その中でも大きく進歩した3論文を取り上げると、次のようになる。


1959年 タンザーは自家肋軟骨移植を用い、6回の手術を行う耳介再建法を報告した。

1980年 ブレントは4回の手術を行う耳介再建法を報告した。

1992年 著者は2回で耳介が再建出来る手術法を報告した。


肋軟骨で再建するそれぞれの耳の形態を上の図に示している、


タンザー法、ブレント法の中途半端な形態と比較すると

永田法は、耳介形態の全てを省略せずに作成するという意味からも

大きく進歩した手術となっている事が理解できる。


肋軟骨は小さいので、ワイヤーで組み合わせて移植する耳介軟骨フレームを形成する。


青で示すのが基礎となる肋軟骨。

黄色で示すのが基礎の上にワイヤーで組み合わせて作成した部分。

赤で示すのが基礎の裏から組み合わせた部分。


複雑な形態を作成するほど、当然時間がかかる。


更に従来法に比して遥かに複雑になった肋軟骨フレームを、

いかに生きた組織で立体的に被覆を可能にするのか、

を解決するのはもっと困難だった。が、

永田法では、これらをすべて解決できたからこそ正常な耳介が再建可能となった。


通常の耳垂残存型小耳症に対し

タンザー法やブレント法が3時間手術で終了するが永田法は8時間手術となる。


更に、

タンザー法やブレント法では不可能なローヘアーラインを伴う小耳症無耳症

永田法では耳介再建が可能となったが、手術時間は10時間から12時間を要する。

また、これらの手術主義を応用する事で永田法では、耳介の作り直し手術も可能となった。


これらは、すでにアメリカで発刊された形成外科の最新の教科書に記載されているが

日本国内に完全に一般化するのに、30年という時間を要する。

その30年のタイムラグが問題だ。


未だに「タンザー法もどき」の手術を行われ、

作り直し手術を希望されて永田小耳症形成外科クリニックへ

日本全国から入院される患者さんが増加しているのは、

小耳症の症例数が非常に少ないので、

形成外科医の小耳症手術経験数が少なすぎる事だけでなく

そのタイムラグのせいでもある。

また、日本の健康保険システムが

未だにタンザー法に準じたままとなっているからでもある。


更に、以上のような複雑な手術を行って正常な耳の再建を実現させるには

芸術的才能がある形成外科医でなくてはならない。


再建された各々の耳介の結果に対する芸術的価値を評価すれば

手術法により、術者の技量により、

その結果の差が、あまりにも大きい。


よって、事実、作り直しの患者さん達が

日本中からのみに留まらず、海外からも当院へ集中している。

これまで、このブログに作り直し手術を頻繁に記載してきた。


作り直し手術や、ローヘアーラインを伴う小耳症に対する耳介再建手術は、

超困難な手術であるという事だけでなく

10時間から12時間もかかる手術となり、

術者にはそれに耐え得る鉄人の体力が要求される。

作り直しを求めて来院される患者さんにとっては、

永田法が最後の砦となっており、

引き受けたからには、必ず成功させなければならない手術なので、

私にとっては非常に責任重大で、プレッシャーのかかる手術でもある。









本日は子供の日。

永田小耳症形成外科クリニックには、

日本全国より来院された子供の小耳症の患者さん達が手術後入院されている。

そのうち、4名は、すでに近隣の病院で手術を行われたものの

不幸な結果となり、当院で作り直し手術を行った患者さん達だ。

インドや韓国で手術を受け作り直しの適応となって入院されている患者さんもいる。


本日の退院は2名だった、が

そのうちの1名も同様の患者さんで本日退院となった。

未だに「タンザー法もどき」の従来法で手術を行われ

当院へ再々建手術を希望され、入院される患者さん達が

後を絶たないどころか、むしろ増加の一途をたどっている。


ところで、退院の患者さんを診察した後、

午前10時より包帯交換を行った。

消毒、抜糸、頭部採皮部で伸びてくる頭髪の刈上げ、さらに頭皮の消毒、

そして抗生剤入りの軟膏を塗布し、その上にトレックスを乗せ、ガーゼを当て

耳を保護するように耳周囲に当てている厚さ2センチのレストンスポンジの周りを

立体的にテーピングしなければならない。

この1連の作業も通常の病院ならば、看護士さんが慣れていないので非常に大変だが、

当院は小耳症専門なので流れ作業のように行う事が出来る。


それでもなお、縫合糸も跡が出来ないために、髪の毛より細い糸を用いているので、

抜糸自体も非常に繊細な技術と集中力と時間を要する。


手術後に、このような処置を1ヶ月行って、

ようやく正常の3次元の形態をした30度に立った耳介が完成し、退院できる。



北海道の泊原子力発電所が明日の夜定期検査のため発電を中止し、

日本全国に存在する原子力発電所の発電がすべて発電を中止する事になる。


福井県の大飯原発3,4号機の再稼働について、

政府は必要と判断し地元住民の理解を得られるように説明をするとしていた。が、

野田首相は「地元の理解が全く得られないならば再稼働しないこともある得る。」と述べた。


そもそも、福島原発のメルトダウン事故が起きた後

もはや広大な地域に人が住めなくなってしまった。

津波や地震に対する安全性の準備確保が不十分だった事は明白だ。


他の原発に対しても現在のままで津波や地震に対する

改善を全く行う事もなく再稼働しようとしている事自体がおかしいのだが、


再稼働を決定したはずの政府自体の方針が、ふらふらと定まらないのだから

国民はさらに困惑している。

地元という意味の地理的範囲もあいまいだ。


この問題は原発の地元住民というより

「国民投票」で最終決定を行うという選択を行うべき問題だ。



ゴールデンウイーク後半開始の5月3日、外は雨だ。

行楽を楽しもうという人々にとっては、あいにくの天候だ。が、

永田小耳症形成外科クリニックに入院中の

小耳症の子供の患者さん達にとっては、耳を治すことが第一優先なので

天候の良し悪しなど関係はない。


本日も午前10時より包帯交換を行った。

包帯交換では、消毒、抜糸のほか、

特に重要なのが、頭皮の採皮部から伸びてくる髪の毛を散髪する事だ。


薄い皮膚を採取した後なので、頭皮そのものを消毒したい。

髪の毛が伸びてくると頭皮の消毒ができにくくなるので、

頻繁に散髪を行っている。


散髪のたびに「短い髪の毛や、ふけ」などが飛んできて、

その刺激で、私は「くしゃみ」が出る。

それでも必死にできるだけ短く散髪しようと格闘し

その後、頭皮の消毒を行って軟膏を塗布する。


頭皮が完全に治癒すると、髪の毛が伸びて採皮部は髪の毛に隠れて

どこから採皮されたのかだれも気が付かない。

しかも頭皮は色が耳と同じ色なので一挙両得だ。


それに対し

従来法では鼠蹊部「そけいぶ」から色が異なる皮膚移植を行っていたので、

消毒処置は簡単だが患者さんにとっては

採皮部に、縫合線の傷が残るだけでなく再建耳の後ろは色が異なっていたのだ。

おまけに成人すると耳の後ろから陰毛まで生えてくるという

小耳症の患者さんにとっては、3重苦となっていたのだ。


だから包帯交換では、頭皮採皮部の皮膚そのものを消毒するために

私は包帯交換のたびに「くしゃみ」をする「散髪屋さん」と化している。



5月2日の水曜日、永田小耳症形成外科リニックでは

入院していた小耳症の患者さん達2名が診察後、無事退院となった。

また、小耳症に関する海外学会からの問い合わせ対する回答を送った。

午前10時より、入院中の小耳症の患者さん達の包帯交換を行った。


午後からは、小耳症外来の時間帯となった。

数名の再診の小耳症患者さん達の診察を行った。

その後、小耳症で初診の患者さんが来院されたので

小耳症手術に関する詳しい説明を2時間ほどかけて行った。

更に、小耳症で再診の患者さんが来院されたので診察を行った。


また明日から4連休となる。

遠隔地まで旅行される方はくれぐれも、交通事故にご注意ください。