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小耳症(永田法)の軌跡と新たな出発

永田小耳症形成外科クリニックは、院長・永田悟医師の逝去にともない、令和4年1月に閉院いたしました。このブログと、永田法による小耳症手術は次世代に引き継がれ、現在も行われています。小耳症手術をご検討の方は、ぜひご覧ください。

これまで、この20年いろいろな国の形成外科学会で

小耳症の講演やデモンストレーション手術を行ってきた。


そのたびにいろいろな文化に接することが出来た。

中でもそれぞれの国の音楽は、私の聴覚の記憶に深く残っている。


それぞれの文化を背景にいろいろな種類の音楽が複雑に存在する。

しかしそれらを地理的に並べて考えると

一定の関連性があることがわかってくる。


インドでは、通常のドレミファソラシドとの間に更に半音異なる中間音階が存在し、

複雑で妖艶な陰音を多く含むいわゆる夜の音階とでも表現出来る。


インドから西に、クゥエートが存在する。

この国では、インドよりややテンポが速く、ベリーダンスが存在する。


中東のトルコ共和国でも、インド音階からやや激しくなり

ベリーダンスが存在している。


インドのダンスもベリーダンスもへそを出して踊るのだが

ベリーダンスは、さらに腰の動きが激しくなって妖艶な踊りとなっている。


インド・トルコと西へ進み、更に北アフリカへと西へ進むと

チュニジア共和国がある。


トルコ共和国とチュニジアとの音楽は、ほぼ似ているものの、

更に少し陰の中に陽の部分が増してくる。

複雑で激しくて美しい要素が絡む音楽が存在する。

この国にもベリーダンスが存在していた。


チュニジア共和国は、地中海に面した国で、

そのすぐ北には、イタリアが存在している。

その北西にはスペインが存在している。


スペインおよびイタリアは、かつてイスラム文化が進入していたこともあって

これらの音楽の影響が残っている。


特に、スペインのフラメンコは有名で、

その音楽も、やはり陰音を多く含むメロディーとなっている。

フラメンコ歌のこぶし回しは、

どこか日本民謡にも通じるところがあるから不思議だ。


そしてイタリアに行くと、エネルギーあふれる陽性の明るいメロディーが圧倒的に多くなるものの、

イタリアン・タンゴの中には、中東の臭いを感じさせる陰の部分を含むものがある。

これまで述べた国に私は形成外科医として行った事がある。


南米には、まだ行った事がないが

スペイン人たちが後に占領した南アメリカのアルゼンチンタンゴの音楽は

ヨーロッパと、中東の入り混じる香りを漂わせている。


かつてはローマ帝国が、地中海周辺国一帯を統治していたことからも

イタリア、スペイン、チュニジア、トルコとの文化的関連性を連想させ、

それぞれが微妙に交じり合っている関係を音楽面からも想像させてくれる。


地理的に関連した音楽を味わい、後にその雰囲気を思い出し地理的に近い国から順に

考察し直して行くと、

その文化と民族の複雑な歴史が入り混じっていることが

音楽から聴覚で味わえて非常に感慨深いものだ。


そのような耳を持って、音楽めぐり世界一周を楽しんでみると面白い。